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カラダが、スキ


自分のカラダがスキかと言われれば
ある観点から見たそれはもう本当にどうしようもないくらい嫌いです。
肉のつき方も皮膚の薄さも骨の歪みも酒を呑むと右目がむくむのも足が変な形で合う靴が少ないのも
基本的にはもうどこもかしこもほんとうに気に入らない。
見た目だけじゃなく機能的にだって。大病は無いが地味にまずい。
まずしょっちゅう風邪をひく。
一年のうち多分300日は風邪をひいていて、それはもうそこらでは有名な話。
それに体力だってない。筋肉もあんまりつかないし、ぷよぷよしてる。末端冷え性。眩暈、耳鳴り、吐き気多々あり。4年前ぐらいから偏頭痛もときどき患うようになった。とにかく三半規管が弱く、花粉症もひどい。気管支と肺が弱いのは、1,000円で占ってもらった手相の占い師にだって読まれた。

そんなわけで。誇れるところなんてほとんど無いとなんの謙遜でもなく思うのですが。

それでもやっぱりこのカラダはスキです。
表面的な美しさはさておき、不健康さもさておき。
もっと本質的なところを、あたしは最上級の方法で愛でてあげたいと思うのです。


深い深いところまで届くように。あたしのカラダだけに許されるスペシャルな方法で。


あたしのカラダは、あたし本体よりもいつだってずっと賢く生きている。

彼女はいつもあたしよりよっぽど世界ときちんと向き合っていて
正しいことと正しくないことを丁寧に見極め、そして躊躇無く大声で喚く。
躊躇無く。それはそれは爽快なほどに。


現実にはそれは
酷い恋愛に拘泥しているときには膀胱炎を発症し
酷い状況に甘んじているときには胃の中の侵入物をひたすら逆流させ
とにかくもう休むべきときには20時間も覚めない眠りに引き摺りこむ

といった割とファンキーでワイルドな展開に結実する。
それが、彼女の叫び方。

こうなったら。
頭がなんと言おうと、あたしは、あたしのカラダの言うことをきちんと聞こうと思います。
そっち側が正しい筈だと。
カラダは全部わかっているのだと。
いつだってちゃんと信号を送ってくれる彼女をあたしは信じる。
そしてその信号を
あたしはいつまでだってちゃんと見逃さないようにしていたいと強く思うのです。


「考えすぎだよ」と人に言われるのを常としているあたしだけれど
そういうわけで、結局困ったときはもうただ全てをカラダに委ねることにしています。
体調が悪ければ、食べたいと感じるものだけを食べ
気持ち悪ければ、吐き
泣きたければ、泣き、笑いたければ、笑う。
発疹がデート前に突然出たなら、そのヒトとはもう一緒にいるのはやめようと思うし
耳鳴りが幻聴に変われば、全てを放棄する。


「石橋を渡る前にそれを叩く道具から叩く回数までさんざんうだうだと考えたあげく、
結局突然その思考全てを覆し、無茶なステップで渡りきる」
という不可解な行動を取るように見えるのは
だからきっと、このせいです。
最後にはカラダの言いなりになっちゃうからです。


これがねえ、結構楽しいんだよ。
たぶん、とてもシンプルなことだから。

そうそう。

それにカラダはいいことだって教えてくれる。
黄色や赤の信号だけじゃなくて、とびきり綺麗な青い信号もキラキラさせる。

だからたとえば、このドキドキしてるのはきっと。


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February 10, 2006 5:58 PMに投稿されたエントリーのページです。

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