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長い髪が、スキ

まあ。
スキだからこそ人生の半分以上
この同じ胸にかかるほどのストレートロングでありつづけているわけなのですが。
それでも
ショートにしたり
パーマをかけたり
はたまたワカメちゃんも桃井かおりも驚きの大正モガ風おかっぱ頭にしたり

そんなこともかつてはあったのです。


けれどいつだって。
そうやって「なんとなく厭きた」という曖昧な理由で髪型を変えてしまった翌日には
あたしは引き篭もりにならんばかりの勢いで後悔し
決まってエレンス2001を気休めに頭中に振り掛けるのでした。

長い髪がスキなわけはいくつかあります。
例えばあたしの髪の癖の按配がロング向きであったり(うねりが大きいのです)
意外とセミロングなどよりアレンジがしやすかったり
少女好きなあたしですから、ついそのベタな少女っぽさについ心惹かれてしまったり
それに暇な時には三つ編みをだらだら編んではほどいてみたり
新しいまとめ髪を開発したり
それに、不機嫌なときにはそのストレスを両の10本の指に溜め、赴くままに髪をぐちゃぐちゃぐちゃっと攻撃的頭皮マッサージのように掻き乱したり(ボリュームある長い髪はなんだかシューベルトの歌曲のような大袈裟さで跳ねては絡まり、なかなかどうして、見た目はさておき、本人はしごくすっきりしたりします)


要するに長い髪は便利なわけですが。
でも一番得したな、って思うのはやっぱり撫でてもらったときです。

もっと短い髪だったら。もっと短い距離しか撫でてもらえないから。

背中の真ん中まで伸びたこの髪を
すぅーんと撫でてもらうときは、やっぱりすごく嬉しくなります。
大して手入れもしていないし毛先は痛んでるわけですが。
それでもたまたま髪の話題で、もしくは誰かが冗談で、それとも美容師さんが仕事で。
この髪をすぅーんと撫でるとき。
あたしは髪が長くて本当によかったと一人ほくそえむのです。

みんなは髪を撫でていることになっている。
でもあたしは首や背中や肩や、身体を、皮膚を、
こっそり撫でてもらっているのです。

それはなんだか白昼堂々と行われる淫靡な行為のようで。
あたしは必要以上にドキドキしてしまいます。
皮膚の上を誰かの皮膚が滑るよりも。
皮膚プラス髪があたしの皮膚にもたらすちょっと複雑な感触の方が。
なんとなく。
より上品でより官能的でより背徳的でより神秘的な
そんな気分にさせられるのです。


長い髪の秘密。

これは、誘惑です。

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December 27, 2004 5:43 PMに投稿されたエントリーのページです。

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