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危うく見えそうで危うく見えないとこが、スキ


平然とした日常に潜む
裏切りのような危うい悪戯が好きです。


例えばそれは
ちゃんとしたディナーのテーブルの下だったり
寒いね、とみんなで囲んだコタツの中だったり
落ちたブレーカーが唐突にもたらした意外に短い闇の間だったり
列の後ろの方で少しだけ死角になった曲がり角の先だったり


そんな危うい感じのところで
周りのみんなに気づかれないように
二人だけの秘密を持つのが好きです。
疲れちゃうような長い秘密じゃなくて
くくく
と、
思わず笑っちゃうような秘密がいいです。
そのとき痺れれば。
それで十分なんです。


だから、早く。
いつもそう思います。
さりげなく伸ばした左手をキミが握ってくれればいいのに。
あたしはかすかなサインのようにそれを握り返して
そう
何事もなかったようにテーブルの上の
空回りする議論に参加するでしょう。


何事もないように、振舞うことが、悦びをひたすら加速させ、


だからいつでもちょっとでも
ヒトに見えそうで見えないとき
あたしはあらゆる準備をして委ねてて、


でもなかなかキミは遅すぎて
やがてキミがいなくても
その厭きない期待だけにでも
あたしは少し震えるようになり、


そんな自分を試すように
こんなことを考えながらもなお
少しも気づかれないように平然として、


独りでもささやかにこうやって遊べるようになると。


いよいよ見えそうで見えないとこに
その危うさの心地よさに
ずぶずぶと
はまっていってしまうんです。


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December 1, 2003 5:05 PMに投稿されたエントリーのページです。

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