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October 2004 アーカイブ

October 29, 2004

夢が、スキ

本当によく夢を見ます。


ほぼ毎日夢を見るのは勿論
日常の僅かな隙間で堕ちた眠りでも
それが1分だろうと10秒だろうと
膝ががっくりと唐突に折れるよりも先に
容易く夢の世界に彷徨いこみます。
電車の中でも会社のトイレでも歩きながらでも
(そう、歩きながら寝てしまうことがとてもよくあって
時々本当に生命が危機に晒されるのですが、その話はまた今度。)
とにかく、現実からどこかへ。
境界はいつも途方もなく曖昧です。

夢のステキなところは奔放で勝手なところです。
頭のおかしいDJがミックスしたメチャクチャな音波の連続に
ただ身を任せ何も考えずに踊るような。
手に負えないものを楽しむということ。
コントロールできないところで起きる何かは
時にきっと
しなやかに現実とすり替わっていたりもします。


昔、とても親しかったヒトがいます。
けれど様々な事情のために
(こういった事情は、往々にして壮大なスケールの面倒臭さと芸術的バランスを同時に兼ね備えていて、うっとりとさせられます)
あたしたちはやがて
お互いからなるべく遠い場所へと離れていきました。


けれどある日唐突にそのヒトから連絡がきて。
それはひとつの夢の報告でした。

あたしはそのヒトの夢の中で
パーティーが盛り上がるそのヒトの部屋の
ベッドの下でとても静かに死んでいたそうです。

あたしたちはそんな夢を笑い
お互いの近況を話したりして
沈黙が訪れる前に和やかに電話を切りました。


けれどあたしはその電話の間中ずっと
今、電話越しにその話を聞いているあたしよりも
昨夜、そこで死んでいたあたしのほうが本当なんだと感じていました。
きっとよっぽどリアルにキミに対峙していたんだと。


キミの夢の中で静かに死ぬということ。


その息を呑むほどの完全なイメージは
少なくともその時点のキミとあたしにとって
それはもう。

それはもう。
どうしようもないほど揺るがない
はっきりとした現実だったんです。

入れ替わってすり抜けて融解して乖離。

いろんな大事なヒトたちに。
いろんな大事なモノたちやコトたちに。
最近は、できれば夢だけで会っていたい、と思ったりもするのです。

そうしていればいずれ。
そっちがあたしにとっての現実になるんですから。

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