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March 2004 アーカイブ

March 2, 2004

正しい休日が、スキ


あなたにとって正しい休日とはどんな休日ですか?


正しい休日とは、

遅めにダラダラとベッドから這い出し、
たっぷりとした朝食を食べ、
雑然とした部屋を適当に整理し、
平日のうちにやり損ねた雑事を片付け、
少し汗ばむくらいに運動し、
鼻腔を和ます匂いの中でゆっくりと身体を解し、
乳白色のお風呂に身を沈め、
冷えない内に温もりを抱いてベッドに滑り込む


ずっとそう思ってました。


一週間溜まった垢や澱を丁寧に落として
来るべき新たな一週間に備えて自分をリセットする。
いわば自分の大掃除みたいなもの。
休日とは、そうあるべきものであると思ってました。

けど。
けど、違ったんです。
正しい休日は、そんなもんじゃ、なかったんです。

正しい休日とは、決して
平日のマイナスをゼロに戻すような
平日の汚れをゴシゴシと落とすような
平日を生き抜くための補佐的役割を果たすような
平日との対比で成り立っている僅かで貴重な休憩のような
そんなものではなかったのです。


本当に正しい休日とは。
認識している自分とこの世界を、キレイにする日ではなくて。
それらを一度キレイに捨てて、
新しい世界、もしくは忘れていた世界と出会う日なのです。


正しい休日は、それ自体が最早キセキであって。
その一日だけで宇宙が成立してしまいます。
莫大なエネルギーを蓄えたその日、
時という流れに貼った時間というラベルは無意味と化します。
今何時なのか。どこまでが昨日なのか。平日ってなんだったのか。


前後不覚に堕ちていくようにみえて
実は穏やかで多幸感に満ちた正しい休日。


わかってることは、
あたしがここにいて、
キミもここにいるということ。
あたしはキミの繊細な肩の抱き方がスキで、
キミはあたしの小さめな耳がスキだということ。
秘密のドアを二人で開けるということ。
陽はあたたかに昇り、いつのまにか落ちるということ。


なによりも、あたたかい、というカンカク。

正しい休日が終り、訪れるのは。
先週と同じような今週ではなく、確実に少しだけ変わった日々です。
いつのまにか残された優しい痕は
正しい休日を引き摺って。
調子が狂ったあたしは少しだけ混乱して
溶解した意識を恨めしく想います。


普通の休日のほうが、もしかしたら合理的に平日を生きられるのかもしれない。

ドアを閉めるのがあまり巧くないあたしはちょっとだけ考えます。
それでも。
キセキ的に正しい休日は、
やっぱり恐ろしく正しく。
どうしようもなく魅力的なのです。

もしもあなたが正しい休日をまだ知らないのだとしたら。
あたしがアドバイスできることはとりあえず2つだけあります。


ドアを開け放つことと、
甘ったるい生クリームに溺れてみること。


多分、思ってるよりは、簡単なことです。


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